Mr.Children@神戸国際会館

11月15日、Mr.Children Hall Tour 2016 虹@神戸国際会館

このライブレポートは本編の内容や新曲についての話を含みます。ネタバレを見たくない方はご注意ください。

降り続いていた雨が上がってすっきりとした空のもと行われた本日の公演。まさに虹ツアーにふさわしい天気だ。
生まれ育った大好きな街、神戸でMr.Childrenが見られる日が来た。会場は神戸国際会館。アナウンスの後、しばらくして暗転。ライブが始まる。


初めはお伽話。初っ端から未発表曲を演奏するところがいかにも近年のMr.Childrenらしい。続いて水上バス、Melody。
Melody演奏後、桜井さんが「この会場は俺が今までやってきた中で一番良いホールだな。こっち(ステージ)ばっか見てないで周りも見た方がいいよ」と話す。辺りを見渡す。本当にきれいな会場だ。「昨今作った曲は(サポート部分が)全てコンピュータにあって、それを流しながら演奏していましたが、今日はこの8人の音だけで演奏します。」「来年、Mr.Childrenは25周年を迎えます。その25周年という節目の年を迎える前に、やり残したことはないかと思って。それで24年目にホールツアーをやろうということになりました。ホールは音が良いです。そして、アリーナやスタジアムと違って、皆さんとの距離がとても近いです。」「アルバムの中の『これ好きなんだけどあんまりライブでやらない…』みたいな曲をたくさんやっていきたいと思います。」→You make me happy、クラスメイト、PIANO MAN、しるし。


しるしの後、ステージの上は桜井さんだけに。桜井さんが一人でアコギを持ち、Overを弾き語り。1番を歌い終わったところで曲を止める。「92年に発売されたAtomic HeartというアルバムからOverを演奏しました。この曲は大変物議を醸す部分があって…」「あっ、座って。Overはゆっくり話しながらやるつもりだから。ホールの席はアリーナやスタジアムのパイプ椅子と違ってお尻痛くならないし(笑)良い椅子ですからね。」「顔のわりに小さな胸、という部分ですが…これはたいへん不徳の致すところでございまして。何も考えていませんでした。これを作った当時は23歳で、売れようと考えてこの言葉を考えたんでしょうね。今だともっと別の言葉を選ぶと思います(笑)」「Overには二つの意味がありまして。一つは『恋人との関係がここで終わる』という意味で、二つ目は『悲しみのトンネルをくぐり抜ける、Over』という、ダブルミーニングなんです。」「この曲を作るきっかけとなった曲がありまして。ギルバート・オサリバンのAlone Againという曲なんですけれども。皆知ってるよね?」(弾き語りを始める)「…と、この曲は明るいメロディーなので、公園のベンチにでも座って歌っているのかなとでも思っていたのですが、そうではなくて。結婚相手に逃げられてしまい、教会に取り残されてしまった悲しい男の歌なんです。そしてビルの一番上の屋上まで行って、その悲しみを思い知らせてやろうという歌です。父は若くして亡くしてしまい、母親は65歳で亡くなってしまった。そして結婚相手には逃げられ、また一人になってしまうという話で。」「歌詞を読んだ時に、こんなに明るいメロディーなのに暗い歌詞なのかと思って。これは自分のものにしたいなぁ、と思って書いた曲がOverなんです。」「次の歌詞も、問題になるというかリアルなのですが…」に続けて『風邪がうつるといけないからキスはしないでおこうって言ってた』と、2番から歌い始める。
Overが終わったところで田原さんのみ登場。「もう一曲やっていいですか?」と、Surrender。二人のギターと歌声が切なく響いた。


メンバー再登場。フルートが印象的なイントロからもっとが始まる。この日、ステージ中央には花瓶に入れられた花のように電球が設置されていて、それとは別に舞台上部に上下への可動式の小さな電球があったのだが、もっとの時に降りてきていた。より多くの電球がステージを灯していた。そんな環境も相まって、冒頭部の『悲しみの場所に灯された裸電球に似た光 それはほら吹きに毛の生えたにわか詩人の蒼い願い』がとても美しく響いた。続いて、掌。原曲でなくライブアレンジver。その後、ランニングハイ、PADDLEと聴衆を鼓舞させるような曲が続き、終末のコンフィデンスソング、血の管。そのまま未発表曲のこころ。
桜井さん「こころ、という曲を聴いていただきました。普通、新しい曲をやる時は『今から新しい曲をやります』って言ってからやるべきなんだろうけど、プレッシャーに負けて歌えなくなっちゃいそうだから、言わずにあたかも昔からある曲かのように演奏させていただきました。」「たいへん私ごとなのですが、今年肉親を亡くしまして。すごく辛くて悲しかったんですけども、こころの中にその人がいると考えると、そんなに悲しくもないなと思いまして。その時にこころとは何か、という思春期のような疑問を抱いたのです。自分のことを愛してくれている人、大事に思ってくれている人がいるように、自分にも大事に思う人がいます。その大切な人にこう言ったらなんて思われるだろうか、そういうことを考えることが『こころ』なのかと思いまして、この曲を書きました。曲を作る時、僕のこころには皆さんがいます。それと同じように、僕らの曲が皆さんのこころになればいいなと思っております。」「続いても、大切な人への曲です。」→旅立ちの唄。
「続きましても、大切な人への歌を神戸の皆さんに歌いたいと思います。東京。」→東京。


「辛くて苦しい時、必ず誰かが見ています。背中を押してくれています。誰かが、あなたの足音を聞いています。足音。」→足音 ~Be Strong。
続けて通り雨。2番の最初、桜井さんがJENさんへマイクを向けて、JENさんが歌う。歌い方のクセのなんとも言えない面白さに、会場中に笑い声が響く。
「次で最後の曲となりました!」→虹の彼方へ。曲の途中小春さん、サニーさん、icchieさん、山本さんと順番にサポートメンバーを紹介し、ソロが続く。ホールという空間でありながら、空に架かる虹を見ているような感覚になる壮大な音に包まれたまま、本編終了。


鳴り止まない拍手の中、メンバー再登場。「まだありあまってるでしょ!?」と、名もなき詩。続けてTomorrow Never Knows。「立て続けに皆さんが聴いてきたであろう耳馴染みのある2曲を演奏しました。」
「続きましては、皆さんがまだフルでは聴いたことがないけれど、そろそろ耳に馴染んできたであろう曲をやりたいと思います。」「N◯Kさんには大きな声では言えないんですけど…この曲は元々メロディーがあって、デモを作っていたんです。その中に虹という歌詞があって。ホールツアーをやる時に、『ツアータイトルどうする?』って話になって、その時に田原が『虹でいいんじゃない?』って言ったので、虹というツアータイトルになりました。」(スポットライトを当てられるも、逃げ続ける田原さん。)「そして、神戸が舞台です」歓声が上がる。「熊本と大分の地震があった時、ちょうど僕たちは九州を周っていて。地震の影響で来れなくなってしまった人がいて、その時にHPにコメントを出させていただいたんです。止まない雨はない。雨が止んだ時に虹が出ることもある。出ないかもしれない。けど、虹が出ている瞬間を見逃さないためには、上を向いていないといけない。だから、雨が降っていてもできるだけ下を向かずに、上を向いていよう。…というコメントを出したんですけれども、それをそのまま歌詞にしました。」「それでは聴いてください。ヒカリノアトリエ。」→ヒカリノアトリエ。


「次で最後の曲となってしまいました。別れさえも心温まるような曲をやって帰りたいと思います。」→空風の帰り道。『さよならは悲しい響きだけど君とならば愛の言葉』こんなに温かい別れの言葉を今まで聞いたことがあっただろうか。会場にいる一人一人の心を温めて、アンコール終了。最後にサポート含めメンバーが前に出てお辞儀。JENさんが帰り際に一人でお辞儀をしながら床に手をつけようとして、場内に笑いが起こる。終幕。温かさをしっかりと持ち帰るようにして、会場を後にした。

 

 

11/15 Mr.Children Hall Tour 2016 虹

神戸国際会館 セトリ
1.お伽話
2.水上バス
3.Melody
4.You make me happy
5.クラスメイト
6.PIANO MAN
7.しるし
8.Over
9.Surrender
10.もっと
11.掌
12.ランニングハイ
13.PADDLE
14.終末のコンフィデンスソング
15.血の管
16.こころ
17.旅立ちの唄
18.東京
19.足音 ~Be Strong
20.通り雨
21.虹の彼方へ

Encore
22.名もなき詩
23.Tomorrow Never Knows
24.ヒカリノアトリエ
25.空風の帰り道

04 Limited Sazabys×BLUE ENCOUNT@滋賀U☆STONE

11月9日、04 Limited Sazabys eureka tour 2016(04 Limited Sazabys×BLUE ENCOUNT@滋賀U☆STONE)。

予報にはない雨と急な寒さの中、開催されたこの公演。

本記事はセトリのネタバレを含みます。まだツアーに行っていない方、セトリを知りたくない方はご注意ください。

 

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まずはゲストのBLUE ENCOUNT

田邊さん「始めるぞー!………ちょっと待ってもらっていい?ギターが鳴らない!」と、機材トラブルを指摘する。「30分前までリハしてたのに!」と突然のトラブルを嘆く。どうやらアンプが壊れてしまったようだ。機材を直す間、田邊さんが福山雅治の桜坂を歌ったり、THE ORAL CIGARETTESの山中さんのモノマネをしたりして、場を和ませる。オーラルのモノマネは大魔王参上の「だい↑」の部分。「またこんなことしてたら怒られちゃうよ~(笑)」と話していた。田邊さんも一度捌けて、機材の復帰を待つ。そして再開。「初めまして、BLUE ENCOUNTです!」と言っていたが、フロアの盛り上がり具合から察するに、初めてブルエンを見るという人はあまりいなさそうだった。「6年ぶりに滋賀に来ました。その時は人が全然いなくて、床しか見えなかったからね」と語り、続けて今日ここに呼んでくれたフォーリミへの感謝の気持ちを述べる。「6年前にはなかった曲をやりたいと思います」と、もっと光を。最後にNEVER ENDING STORY。機材トラブルの影響で演奏する時間が減ってしまったのは、本人たちが一番悔しがっていることだろう。しかし、たった6曲だったがしっかりとフロアを湧かせていた。

 

次に04 Limited Sazabys。

climb、monolithと序盤から攻める。

GENさん「9月のイナズマぶりに滋賀に帰ってきました。滋賀には結構来てますよ、前のツアーでも来てるし。6年ぶりに滋賀に来たブルエンとは違います(笑)6年も来なかったから機材トラブルなんか起こるんだよ(笑)」とブルエンのメンバーの方を見て話す。「いや~、勝ちましたね。トランプ。皆、トランプマンって知ってる?(少しだけざわつく会場)あ、今反応した人は同世代だな。昔、トランプマンって人がいて。マリックみたいな感じで。マリックなんて言ったのもすごい久しぶりだな~(笑)」懐かしい、という様子のメンバー。人を切る芸なんかもあった、と話す。

今日の雨と寒さを訴えてdropsへ。

GENさん「トランプが勝っちゃいましたけど、それよりすごいニュースがあって…」期待を寄せる会場内。「足舐め男、逮捕!」笑いが起こる。「いや、すごいよね。足を35分間舐め続けるんだよ?足の裏がふやけちゃうよね。太ももだったらまだ分かるけど。でもちゃんと舐めた後にお礼を言ってたみたいだから、きっと根はいい人なんだよ」と言うと、「GENは妖怪に近いからね」とツッコミが入る。その後、GENさんが「バンド界で自分の乳首が一番かわいい」と話す。「バンド界最低はこーへいです」と言いながら後ろを振り返るGENさん。「乳首というか乳輪が…」と続けて、「バンド界最高と最低が共存するバンドです」と締める。

GENさん「メトロックゼロのライブでリフトやダイブについて話したら思ったより大きな反響があって。俺らはそういうのをやっちゃいけない、って言ってるわけじゃなくて…まあ言ってるようなもんなんだけど。ライブを意識して曲を作ってるから、これはモッシュやダイブが起こりそうだなとか、これは音を歌をしっかり聴いてくれそうだなとか、そういうことを考えているわけで。だからこっちにもそれを言う権利があるんじゃないかなって思ったので、これからは積極的に言っていこうと思います。そうやって俺らの理想と皆とを近づけていけたらなと思っています。一緒に成長していきましょう。」→Feelへ。

「どんな夜にだって必ず朝はやってきます。止まない雨はない、明けない夜はない!そんな、朝の光のような歌を」とeureka。続いてHorizonで本編終了。

手拍子と数人のワンモアの声によって迎えられ、メンバーが登場。「今日は声が大きいね」と語る。(大きめの箱でライブをする機会が増えて、声でなく手拍子でアンコールを求められることが大半になったのだろうか?)ひっきりなしに、みんな思い思いに聴きたい曲を叫ぶ。「Standing Here!」には「絶対やだ」と返していた。やってくれよ。「皆さんのおかげでここまでやってこれました。たくさんの夢が叶ってきました。武道館でもライブすることになったし、ハイスタとのツーマンも決まったし。これからも、目が離せない存在になりたいと思います。」と話し、TerminalとGive me。そして、「体力がありあまっているであろう滋賀の皆さんにこの曲をやって帰ります」とRemember。今日一番の盛り上がりで終幕。

「辛い時、苦しい時に支えになるような、俺たちの活動自体が支えになればいいなと思います。」「俺たちはあなたたちの青春になりたいんじゃない。一緒に育っていきたい!一生、一緒に成長していきたい!」こういう発言を体現したライブこそが、フォーリミのライブにまた行きたくなる理由だろう。「活動が支えになる」とはどういうことなのか、言われた時はよく分からなかったが、次のライブが楽しみだとか次の新譜はどんな仕上がりになるだろうかとか、そんな期待をすることが「活動が支えになる」ということではないかと思った。だとすると、今のフォーリミは確実に自分の支えになる存在だ。これからもずっとかっこいいバンドであってほしいし、何度見ても今が一番だと思わせるライブをしてほしい。そして、そんなかっこいいバンドと一緒に成長していきたい。(終)

Dizzy Beats ツアーファイナル(Dizzy Sunfist×HEY-SMITH×GOOD4NOTHING@BIGCAT)

遡ること約1ヵ月半前から、私はこのライブをすごく楽しみにしていた。その理由は、ハジマザに行ったからだ。ハジマザについては以下の記事を読んでいただきたい。

http://m6t.hatenablog.com/entry/2016/09/11/230000

そんなHEY-SMITHと同じ堺出身のGOOD4NOTHINGを呼んでのDizzy Beatsツアーファイナル、大阪BIGCAT。

 

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最初はGOOD4NOTHING。お馴染みのSE、河内のオッサンの唄が流れてGOOD4NOTHINGのライブが始まる。「ディジーお疲れ!ほなディジーの前にちょっとやらせてもらうで!」というMCに続いて、WALK A WINDING ROAD。(間の曲は割愛、検索してください)Cause You're Aliveで、TANNYさんがマイクの前を行ったり来たりしながら「ウォ~ウォ~」と歌ったり、救急車が近くを通る時の真似をしたりするのを、マッキンさんが呆れ顔で見ていたのが印象に残った。「今日はここにドラマがある!」その通りである。BIGCATに入った瞬間から、この日のドラマは始まっていた。

 

お次はHEY-SMITH。

猪狩さん「今日はレーベルの先輩やからとか金がとか、そんなんで出てるんじゃない。だから同じレーベルやからとか思わんといてくれ。俺はディジーのファイナルに出るなんてありえへんと思ってた。けど、ディジーが後輩じゃなくて一つのバンドとして、尊敬する存在になったから出ることにした。」

「はじめツアーファイナルに出てほしいって電話がかかってきた時、まあライブ見てから決めようと思って、そこからディジーのライブをたくさん見た。ただ同じレーベルの先輩と後輩やから出るんじゃなくて、どこかで区切りをつけたくて。ディジーを一つのバンドとして見れるようになったら出ようと思って。それで6月のサタニックを見た時、出るって決めた。」

「俺らは金とか音楽でここに来てるんじゃない、気持ちで来てる!だからお前らも気持ちでかかってこい!(→2nd Youth)」

「今日ここに出ることで、HEY-SMITHとDizzy Sunfistは先輩と後輩ではなくなりました。友達になったディジーにこの曲を送ります、Don't Worry My Friend!」

「HEY-SMITHも1stフルアルバムを出した時に、ここBIGCATでファイナルをした。ファイナルってのは一回しかないねん。だから今日がファイナルってのを認識して。お前らの力が、ディジーの力になるんやって認識して!」

 

最後にDizzy Sunfist。

あやぺた「全都道府県、55箇所回ってきて、大阪はPangea、十三ファンダンゴ、BRONZE、新神楽、クアトロとやってきて、今日はBIGCAT。しかもソールドアウト!ここにいる皆、一人でも欠けたらこんなことにはならんかった。グッフォーもHEY-SMITHもかっこよかったけど、トリのバンドが一番かっこよくないとあかん!力を分けてくれ!Dizzy Beat!」

「あかん、こんなんじゃまだまだSMALLCATや。ここはBIGCAT、もっと皆でBIGにしていこうぜー!」

「色んなバンドとやってきて、今日のファイナルはそのボス!ギガンテス、フリーザクッパみたいな!1バンド目、GOOD4NOTHING。グッフォーは同じ堺のバンドで、普通にキッズの時にチケット買って見に行ってて。搬入してるマッキンさんに「マッキン!マッキン!」とか言ったりしてて。あの居酒屋に行ったらグッフォーに会えるとか言う噂が流れてて。そんなグッフォーと今は一緒に酒を飲んでる!2バンド目、HEY-SMITH。猪狩さんに震えながらツアーのファイナルに出てほしいって電話したら「ライブ見てからや」って言われて、そこからいっぱいライブ見てもらって。4月くらいから声かけてて、やっと9月になって「出るわ」って言われて。そんなGOOD4NOTHINGとHEY-SMITHに出てもらって。かっこよかったけど、今日は下剋上します!」

「本気で夢を見続けてきて、今日BIGCATでファイナルをすることができた。Dizzy Sunfistはこれからも夢を叶えていく。本気で夢を見せ続けるから、安心してついてきてほしい。人生で一番かっこいいDizzy Sunfistを見せます!New World!」「(New Worldの途中)次のツアーファイナルは、なんばHatch!」

本編終了後、フロアからの止まぬワンモアの声の中、あやぺただけが登場(したように見えたのですが、他のメンバーも同時に登場していたのならすみません)して、「?」となったのも束の間、すぐにアンコール1曲目、Regretが始まる。続けて「最後にここでMVを撮った曲をやって帰りたいと思います。Someday!」これまでのグッフォーとヘイ、ディジーの本編を経てのこの時間だと思えないほどのダイバーの数。(率直にみんな元気すぎるやろ…)しかし同時にそれほどディジーが好きで夢が叶う瞬間に立ち会えて嬉しい、と思う人がたくさんいるんだなと思った。

フロアの熱は冷めることなく、ダブルアンコール、FIST BUMP。これで終わりかと思いきや、トリプルアンコールでHalf&Half。この域までくると、フロアの人間の底力を感じる。(あやぺたのMCのフリーザじゃないけど客の戦闘能力53万くらいあるんちゃうかな)そんな熱さの中、Dizzy Sunfist、Dizzy Beatsツアーファイナル、終幕。

 

GOOD4NOTHINGもHEY-SMITHも大好きだが、10月29日のBIGCATで一番かっこいいライブをしたのはDizzy Sunfistだと言い切れる。これからもDizzy Sunfistと夢を見続けたいと思った。どんな夢を見させてもらえるのか、とても楽しみである。とにかく、Dizzy Sunfistが大好きだ!(完)

京都音楽博覧会@梅小路公園

9月18日、京都音楽博覧会梅小路公園
台風接近の影響により、会場は予報通りの雨。しかし正午の時点では小雨だったため、主催者であるくるりの演奏からイベントが始まる。


くるりを見るのは初めてだったが、もっと深くまで聴いて歌詞をくだいて理解していきたいと思った。くるりが活動してきた20年間の厚みが出ていると感じたライブだった。(残念ながら途中からしか見ることができなかった。)


続いてフランス人のTete。日本語でMCをしてくれたのが嬉しかった。「(梅小路公園に降る雨を指摘した後)わたしのこころは、no rain!」と明るく話す。会場にいる人のほとんどがTeteを見るのは初めてだったと思われるが、曲に合わせて身体を揺らしたり手拍子をしたりする姿が見受けられた。初めて聴いたとしても楽しめるような音楽は強い。Teteの楽曲はフランス語(おそらく)だったため、歌詞の内容は理解できなかったが、それでも目の前にある音を存分に楽しむことができた。

三番手、矢野顕子。会場中にピアノと矢野さんの声が響き渡る。演奏の美しさに見惚れてウットリする観客。「途中からなら誰でも知ってると思います」と、いい日旅立ち。続いて「私の曲の中で一番愛されている曲を演奏します」と、ひとつだけを披露。今日の出演者であるMr.Childrenの桜井さんが参加しているBank Bandでもカバーされた楽曲だ。女性らしさと可愛さのバランスが絶妙だった。最後にくるりの岸田さんが登場。岸田さんは出てくると「ばらの花はやると思ってたけど、まさかいい日旅立ちが聴けるとは思ってなかったわ」と驚きの言葉。そして二人でPRESTOを演奏。

四番手はMr.Children。すれ違う人々のTシャツから察するに、このバンドを見に来た人が一番多いのではないかという様子の会場内。この日はMr.Childrenにキーボード、アコーディオン、サックス(とフルート)を足した編成。名もなき詩Tomorrow Never Knowsといった大ヒット曲から始まり、最新アルバムからMelody。そしてPIANO MAN、ランニングハイとフェスでは意外な選曲が続く。サニーさんのキーボードソロから、半音下げのしるしが始まる。「知っている人は歌ってください」と、足音 ~Be Strongを力強く歌い上げる。「次で最後の曲です」と桜井さんが発すると、すぐに「え~!」と別れを惜しむ声。「では最後に別れの曲を…」と言って少し間を置くと、「bye-bye…」と歌声が切なく響き、僕らの音。「君は9月の朝に吹き荒れた通り雨」という歌詞が、より憂いを増すような9月の雨空の下。悪天候によってさらにはっきりと姿を現した悲痛さが襲いかかるような演奏で、Mr.Childrenのステージが終わった。


転換中、突然「桜井和寿!」との声が聞こえてステージを見ると、そこにはくるりと桜井さんの姿が。岸田さんが「この曲がセットリストに入ってない」と指摘し、シーラカンスを演奏。独特の重々しさがしっかりと表現されていた。完全にここでしか見られない、贅沢すぎるコラボだった。


残すところ主催のくるりとオーケストラのコラボステージのみとなったが、しかし降り止まぬ豪雨。雨音だけでなく雷の音まで聞こえ始めたが、京都音博10回転を飾るくるりのステージが見たい、という思いでくるりの登場を待っていると、司会の大抜さんと共にくるりが現れた。そして、悪天候の影響によりイベントを中止することが告げられた。せっかくのイベント10周年、くるり20周年なのに、本当に残念である。激しく降る雨の中、悔しさとやりきれなさを胸に、会場を後にした。天候には恵まれなかったが、イベント自体はとても良かったので、来年もぜひ行きたい。

 

ここからはライブレポから離れて個人的に思うことを書いていきたい。
Mr.Childrenがフェスやイベントに出演する度に、「ミスチル地蔵」というワードが話題になる。(個人的にこの呼び方は本当の地蔵にとても失礼なので好きではないが。)Mr.Childrenを前で見るために他の出演者の演奏時に場所取りをしたり、Mr.Childrenだけを見たら帰ったりする客のことを指すらしい。
この「ミスチル地蔵」と呼ばれる人たちは、REFLECTIONから何を学んだのだろうか?「全く聴いたことのない音楽でも、凄く心が動く感動するライブができないか」という試みから開催されたFCツアー、その様子を収めた映画、REFLECTIONツアー。そこでMr.Childrenのファンは「未知の音楽でも心が動く」ということを知ったはずだ。知らなくても心が動くのはMr.Childrenの音楽、REFLECTIONに限ったことではない。他の音楽においても素敵なものは知らなくても感動するのは同じである。
これは個人的な解釈だが、今のMr.Childrenはファンに色んな音楽に出会ってほしいという思いがあって、対バンツアーを開催したり、他のバンドが主催するイベントに出演したりしているのではないかと思う。だとすると「他のバンドのイベントに行ってMr.Childrenしか見ない」のは、バンド側の気持ちを全く受け取れていないことになる。
だから「ミスチル地蔵」と呼ばれている人たちに言いたい。Mr.Children以外の音楽にも興味を持ってみてはどうだろうか、と。Mr.Childrenが出演しているイベントには素敵なバンドが揃っている。知らなくても十分に楽しめたり感動したりするような良いライブだって見られるはずだ。ぜひMr.Children以外に興味がない、というところから一歩踏み出して他のバンドも聴いてみてほしい。きっとその先に素晴らしい音楽との出会いがあるはずだ。

HAZIKETEMAZARE FESTIVAL DAY2 - Dizzy Sunfist

9月11日、HAZIKETEMAZARE FESTIVAL@泉大津フェニックス
ベストアクトはDizzy Sunfist。長くなるのでディジー以外のアクトは割愛。
「ハジマザには6年連続で遊びに来ています。出るのは今年が初めてです。やるぞー!Someday!」と、ここまでの誰にも負けない凄まじい勢いで始まる。続けてDizzy Beat、SULLEYと定番曲が続く。一呼吸置いて、あやぺたのMC。「4年前のハジマザに遊びに行った後、打ち上げで猪狩さんに、来年は出させてください!ってお願いしました。そしたら猪狩さんに、お前らなんかじゃ無理じゃ!って言われて、悔しくてその場で泣きました。泣いてたら猪狩さんに、泣くんやったら帰れ!って言われました。あれから4年。ハジマザに出させてもらいました!ヘイスミとディジーが同じレーベルやから出させてもらってるんじゃないです。カッコいいバンドって認めてもらえたから出させてもらってるんです。4年間でカッコよくなったところを猪狩さんに見せたいと思います。Joking!」今にも泣き出しそうになりながらも、ハジマザのステージに立つに至るまでの経緯を語ったこのMCを聞いた人の中に、心が動かなかった人なんていなかっただろう。その後のJokingはMCよりもずっとカッコよかった。ディジーの夢が叶う瞬間に立ち会うことができて本当によかった。